マークスタイラーが中国向け越境ECモール「ワンドウ(豌豆公主)」へ出店、中国での販路を拡大する。「ワンドウ」とのデータ連携による在庫管理サービスを生かし、在庫を預けることなく、中国での幅広い販売を目指す。
マークスタイラーはこれまでも中国事業の伸長と日本でのインバウンド集客の増加を目的に、15年11月に「天猫国際(Tmall Global)」へ「ランウェイチャンネル」を出店。今年8月には「天猫(Tmall)」に「ムルーア(MURUA)」と「アングリッド」を出店している。インアゴーラが運営する「ワンドウ」は自社ECモールに加えて「タオバオ」「JDドットコム」といった中国の大手ECとも連携をしているため、今回の出店によってさらなる多ブランド・多モール展開が実現するものとみられる。
インアゴーラはネットアプリ・製品を手掛けるキングソフトの翁 永飆(おう・えいひょう)・社長が2014年12月に設立。日本の商品に特化した中国向けECアプリ「ワンドウ」を手掛ける。11月には第三者割当増資による2100万ドル(約23億円)の資金調達を実施した。出資元は三越伊勢丹や日産自動車、SONYなどによる出資ファンドWorld Innovation Labやベンテック チャイナなどで、出資を元に中国でのマーケティング強化やコンテンツ制作のための人員増加、「ウィーチャット」などの専門アプリとのシステム提携によるさらなる販売網拡大などを実現し、2019年までに5500億円の流通総額を目指す。
「ワンドウ」は「東急ハンズ」「ロフト」など100社を超える企業・1500ブランドが出店する越境ECモール。今後はトリンプや資生堂パーラーなども出店を予定している。中国ではすでに100万ダウンロードを達成しており、在庫連携や物流・翻訳ページ作成・価格設定のサポートなど、越境に関わる作業を全て担う。初期費用や固定費・ページ制作費などはかからず、売り上げの一部を支払うビジネスモデルをとっている。