イタリアのシューズ&アクセサリーブランド「セルジオ ロッシ」が2017年春夏、新体制で再スタートを切る。15年12月、英投資会社インベストインダストリアルはケリングからセルジオ ロッシの全株式を買収。新社長にアンドレア・モランテ前ポメラート最高経営責任者(CEO)、新CEOにリカルド・シュット前「ホーガン」ジェネラル・マネジャーが就き、デザインチームからマーケティング、小売り、管理まで担当も一新し、体制を整えた。視察で来日したシュットCEOに「セルジオ ロッシ」の新たな方向性を聞いた。
「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」は2017年春夏シーズン、コレクションラインと位置づける「SR1(エスアールワン)」をスタートする。「セルジオ ロッシ」の全盛期である1990年代のアーカイブに着目し、スクエアトーが特徴のスリッパタイプや太めヒールの安定感あるシューズをそろえる。価格帯は、メタル付きのスリッパシューズ8万3000円からパイソンレザーのシューズ15万7000円まで。従来の7万3000〜20万円超という幅広い価格帯の中間がコアプライスだ。シュットCEO は、「セルジオのDNAを継承するため、まず原点回帰し、ブランドを代表するデザインを作り、急成長した90年代のアーカイブをリバイバルする。これまではラグジュアリー感が強く、どちらかというと夜向きのゴージャスなデザインが多かったが、『SR1』はシーズンやシーンを問わず、普段着にもイブニングにも合わせられるデザインに落とし込んだ。シーンを選ぶ商品提案はブランドの弱みでもあった」と話す。
来年は店舗開発にも注力する。17年4月開業の「ギンザ シックス」2階には、世界初のコンセプトストアを設ける予定。同店を皮切りに国内外での出店を加速する計画だ。店内もシューズに合わせたゴージャスなデザインから、モダンさとフェミニンさを強調した落ち着いた空間に変える。商品も「SR1」を全体の8割とする。「店内のカラーリングや可動式什器などにこだわり、これまでにない新しい店舗作りを進める。この銀座店を軸に17-18年秋冬以降は、既存店も同じデザインに変える予定だ。日本では20の既存店を1シーズン3~4店舗の計画でリニューアルをしていきたい。5年後には店舗数をもっと増やしていたい」。17年にはメンズを休止するが、「ブランドのDNAはウィメンズにある。ウィメンズ再構築を優先し、その後メンズ再生を図る」と語る。
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