博多阪急は3月3日、2階の約430平方メートルを全面改装し、メンズブランドを集積した「メンズクリエーターズ」をオープンした。博多地区初のメンズ単独出店となる「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」や「ワイスリー(Y-3)」を始め、「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」「ディーゼル(DIESEL)」「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」「サタデーズ ニューヨークシティ(SATURDAYS NYC)」など、いずれも博多地区の百貨店では初の取り扱いとなる7ブランドをラインアップ。「ヨウジヤマモト」は店の屋号に初めて登録商標マークを入れた唯一のショップとなる。それまで2・3階で展開していた「ハカタシスターズ」は3階フロアに集約した。
メンズフロアの改装を手掛けた阪急百貨店の花谷典男・紳士ラグジュアリー商品部長は、今回のリニューアルポイントを3つ挙げる。「1つ目は、昨今エントリーアイテムが財布とTシャツからスニーカーとパンツに変わってきたことを受け、スエットパンツやデニムパンツ、スニーカーが強いブランドを軸にラインアップしたこと。2つ目は注目度の高いコラボアイテムや限定アイテムの展開。オープン時はJR博多シティの6周年にかけて、60枚限定や6色展開、6種類のアクセサリーなど、6にまつわる限定アイテムを用意した。『アディダス×カラー』や『アディダス×ラフ シモンズ』など、直営では九州地区初となるコラボブランドもそろえた。3つ目はフロアのメーンエントランスとなるエスカレーター側から奥行きが見えるよう店舗を並べたこと。手前には吹き抜けがあり天井の高さが違うので、吹き抜け部分の壁を利用して山本耀司の『ワーク』をテーマにしたデッザン画を飾っている。メンズフロアを象徴するエントランスにできた」と話す。セレクトショップが出店するアミュプラザ博多と隣接していることで、女性客の集客も見込み、「B ヨウジヤマモト」などウィメンズアイテムや雑貨類も取り扱うことに加え、フロア全体を白いクリーンな空間に仕上げた。
並松誠・博多阪急店長は「周囲がオフィス街で以前から男性顧客の来店には恵まれており、6階の紳士服フロアは堅調だった。昨年春に紳士服フロアに併設していた時計売り場をM3階に移動し拡充したが『バーバリー ブラックレーベル』の撤退も大きく、メンズクリエーターズの強化が必至だった。そもそも博多駅エリアは天神エリアの百貨店と比べ平均顧客が10歳以上若い30代後半から40代。だが、阪急メンズ東京・メンズ大阪で獲得できているお客さまをターゲットにしたフロアが博多阪急にはなかった。昨年4月にキッテ博多と博多マルイがオープンし、4〜9月の来店客数は前年同期比13%増と好調だ。博多には、天神エリアと博多駅エリアで完全に商圏が2つできたと思っている。当店はインバウンド売り上げでも九州一。福岡の玄関口として九州全域はもちろん、広域で顧客を獲得していく。福岡市の人口も神戸市を抜き、ビジネスチャンスはまだまだ広がると考えている」。一方で、厳選圧縮展開となった「ハカタシスターズ」については、「20代はネットやファストファッションへの顧客流出が激しい。ただ、結婚式やパーティーの際に着るゲストドレスなどのオケージョンウエアは好調なので、ブランドの個性が強く、ターゲット年齢層も幅広いものを残した」と話す。
オープン当日は7時半から30人ほどが並び、平日にもかかわらず目標の2倍を売り上げ好調にスタートした。広報の森本誠吾マネジャーは「モードファッションを着た明らかにファッション感度の高いお客さまの来店が多かった。男女での来店や中国・韓国を中心としたインバウンド客も増加し、手応えを感じている」と話した。2階フロアの売り上げは前年同期比3割増を目指す。
【関連記事】
■博多阪急2階に新メンズフロア