東証1部上場のジュエリーメーカー、TASAKIがMBO(マネージメント・バイ・アウト:経営陣が自社の株式を買い取ってオーナー 経営者として独立すること)を実施する。現経営陣がTOB(株式公開買い付け)を実施、最終的に全株を取得し、今年の後半には上場廃止になる見込みだ。27日からTOBを開始する。具体的に株式公開買い付けを行うのは、株式会社スターダスト(加笠研一郎・代表取締役)。買い付け価格は23日終値1550円対し約3割の上乗せを加えた2205円になる。
株式の取得には、田島寿一・社長ら経営陣の他、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズ(以下、MBK)がスポンサーとして参加する。MBKは、日本、中国、韓国などアジアを中心とする投資ファンドであり、過去にもTASAKIのスポンサーだった経緯がある。中国産の安価な真珠に押されて経営が悪化した際に、2008年に優先株を発行し、MBKの傘下に入った。その後、09年からは米国人デザイナーのタクーン・パニクガルの起用、10年の銀座旗艦店の建て替えなどで、13年10月期に黒字転換し、MBKは15年に保有株を売却していた。
TASAKIは16年6月にパリのヴァンドーム広場にあるホテル、リッツ パリにブティックをオープンし、海外進出を果たしている。海外進出に伴う積極投資など、非上場になることで、経営の自由度を高める狙いがあるようだ。17年10月期に連結売上高で前期比4%増の231億円、純利益で同2%増の20億円を見込んでいる。
田島社長は、青山学院大学文学部卒業後、ジャーディンマセソン&カンパニー(ジャパン)リミテッド入社。1990年グッチ ジャパンに入社し、営業本部長などを務める。97年クリスチャン・ディオール取締役営業本部長、98年同社社長に就任。2004年には、LVJグループ フェンディ ジャパン カンパニー社長兼CEOを務める。09年1月に田崎真珠(現TASAKI)社長に就任、現在に至る。
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