「無印良品」を展開する良品計画は、東アジアを中心にした海外での出店ペースを上げる。現在の17年度で店舗数が国内456店・海外478店となり、初めて海外が国内を上回る見通し。20年度には国内502店・海外698店を計画する。特に中国では毎年30店の新規出店を重ねる。衣食住のライフスタイル型SPA(製造小売業)としての存在感をグローバルで高める。
12日に発表した20年度を最終年度とする中期経営4カ年計画(中計)で、海外事業を成長の柱に位置付けた。中計では数値目標として、売上高に相当する営業収益5000億円(16年度は3332億円)、営業利益600億円(同382億円)、店舗数1200店(同870店)を掲げる。営業収益に占める海外事業の比率は、16年度の35%が20年度には42%に高まる。
すでに30カ国以上に店舗網を持つ良品計画は、中計達成のために、店舗と物流センターと工場とを自動発注でつなぐグローバルサプライチェーンマネジメントの構築を最優先課題に位置付ける。衣料品から食品、化粧品、家具、雑貨まで8000アイテム以上を扱う「無印良品」にとって、最適なタイミングで最適な数量を供給することが収益に与えるインパクトは大きい。会見した松﨑曉・社長は「売れ筋のベスト30の商品は欠品させないよう仕組みの精度を高める」と強調した。
海外事業を強化するものの、収益面で国内事業が屋台骨であることには変わりない。国内の「無印良品」は現状200~300坪の売り場面積が中心だが、今後は増床や新規出店で500坪の店舗を増やす。また今春夏には衣料品や食品で約150アイテムの値下げに踏み切り、集客力を上げようとしている。昨年8月には一旦1200円に値上げしていた3点セットの靴下を990円に値下げした。リピーターの多い靴下がけん引役となり、秋冬の衣料品の客数を大きく伸ばすことに成功している。