「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」はアースデイに向け、サステイナビリティと革新性を追求するプロジェクト「サルヴァトーレ フェラガモ オレンジファイバー コレクション(SALVATORE FERRAGAMO ORANGE FIBER COLLECTION)」を立ち上げ発売する。これは、柑橘類を使った生地の製造を世界で初めて可能にし、特許を得たプロダクト“オレンジファイバー”をきっかけに始まったもので、天然起源の生地のみを用い、ファッションやデザインと生産の好循環を兼ね備えることを目指すものだ。新素材は、ツイル生地でシルクのような見た目と手触りが特徴。フェラガモ社は、建築家でデザイナーのマリオ・トリマルキ(Mario Trimarchi)に「オレンジファイバーの起源の本質を最も的確に伝えることができるプリントを制作してほしい」と依頼。トルマルキは“地中海の自然や果物に写し出されるイタリア南部のくっきりとした影”をテーマに、浮遊する雲や花を描き、今回のカプセルコレクションにのせられた。コレクションは、ナチュラルさと快適さが感じられるデイリーウェアで、カットとラインが特徴的なシャツ、ドレス、スカート、スカーフなどが並ぶ。銀座旗艦店で限定発売中だ。
オレンジファイバー誕生のきっかけは、柑橘系の果物のジュースを絞った後の残りかすを使ってファッション用の持続可能な生地を作ろうという、一人の女学生アドリアナ・サントノキート(Adriana Santanocito)のアイデアだった。イタリアではジュース製造による廃棄物は70万トン以上といわれている。サントノキートはファッションデザインの学位論文を執筆するかたわら、国際交流・国際協力を専攻していた学生だった。彼女は、エンリカ・アレナ(Enrica Arena)と共に、このアイデアを発展させる決意をする。アイデア実現のため、ミラノ工科大学から支援を得ることもできた。まもなく、この2人の夢は、イタリア国内での特許申請という形になり、その後、国際的な特許出願(米国、ブラジル、インド、メキシコ、EU)に拡大された。さらに、個人投資家から創業資金援助を受け、2014年に事業化。最初のプロトタイプを作成し、シチリアで初のパイロットプラントの運転を開始し、柑橘類から出た廃棄物を高品質素材へと生まれ変わらせることが可能になった。フェラガモ社は、彼女たちのプロジェクトを支援することを決め、一貫性あるプロダクション・オーダーを提示した最初の企業になった。