ブシュラ・ジャラール(Bouchra Jarrar)「ランバン(LANVIN)」アーティスティック・ディレクターが、就任16カ月で退任した。ブシュラは新たなプロジェクトに専念するという。
1889年にジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)によって創設された「ランバン」は、現在台湾を拠点とするメディア有力者のワン・シャオラン(Shaw-Lan Wang)がオーナーを務めている。業界筋によると「ランバン」は2012年の売上高2億5000万ユーロ(約320億円)をピークに、業績が落ちているという。また、昨年はこの10年では初めて赤字を計上していた。
ブシュラはミッシェル・ウィバン(Michele Huiban)最高経営責任者と就任当初から折り合いが悪かったとされており、退任を噂されていた。また、前任者のアルベール・エルバス(Alber Elbaz)同様、ブランドの経営に明確な戦略と十分な投資がないことに不満があったとされている。
6月28日にパリで行われた芸術文化勲章オフィシエ受勲式でブシュラは「興味があるのは、ポジティブな精神を養うことだけ。他はどうでもいい」と予告めいたコメントをしていた。
なお、ブシュラの後任候補には、オンライン販売のクチュールハウスとして活動するオリヴィエ・ラピドゥス(Olivier Lapidus)や、クリステル・コーシェ(Christelle Kocher)「コーシェ(KOCHE)」デザイナーなどが噂されている。