「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」は、ロンドンを拠点にする気鋭デザイナーのキコ・コスタディノフ(Kiko Kostadinov)と協業したユニセックスのカプセル・コレクション“マッキントッシュ 0001(以下、0001)”を、9月2日に全世界のドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)で先行発売した。
同コレクションは、普遍的要素の再構築を得意とするコスタディノフならではのデザインが特徴。“ゴム引き”で有名な「マッキントッシュ」のキーマテリアル“ラバー”をテーマに、アウターのベルト、袖、パンツの裾などにはラバーテープを施した。素材には定番の“ゴム引き”の他、これまで「マッキントッシュ」のアウターに採用されてきたウールやカシミヤ、ナイロンなどを使用。コートやジャケット、パンツなど、全10型のカラーをブラックに統一することで、素材の特性を生かしたカッティングやシルエットをより際立たせている。価格帯はアウター15万〜24万円、ジャケット11万〜12万円、パンツ7万9000〜9万8000円など。
“0001”の日本発売に合わせて、コスタディノフが来日。6月のロンドンメンズで行なったランウエイショーでも高い注目を集めるなど、目覚ましい勢いで成長を続ける期待の新星は、歴史ある企業との協業で何を得たのか。「有名になるのは好きじゃないから」と語る彼が描く、自身の未来とは。
WWDジャパン(以下、WWD):「マッキントッシュ」との協業のきっかけは?
キコ・コスタディノフ(以下、コスタディノフ):2016年にセント・マーチンズ美術大学を卒業してすぐ「マッキントッシュ」側に会う機会があり、コラボレーションがスタートしました。僕の卒業コレクションを気に入ってくれたのだと思います。
WWD:学生時代に行なった「ステューシー(STUSSY)」との協業が話題になったが、他にコラボの経験は?
コスタディノフ:「アシックス(ASICS)」とシューズを作ったこともあります。ただ今回のコラボは「ステューシー」や「アシックス」のようにすぐ終わるものではなく、今後も続くカプセル・コレクションです。現在発売している“0001”に加え、6月のパリメンズでは“0002”も発表しましたし、現在は“0003”を製作しています。
WWD:「マッキントッシュ」の歴史を“0001”でどう表現した?
コスタディノフ:自然と湧いてくるアイデアを大切にしました。“0001”でまずやりたかったのは、ワードローブの提案。「マッキントッシュ」の代名詞であるコートの他に、ニットウエア、インナー、トラックパンツ、ミッドレイヤーなども作って全体で見せています。「マッキントッシュ」の既存顧客にも、新しい発見をしてもらえると思います。
WWD:コレクションの軸となるイメージは?
コスタディノフ:“0001”はラバー、“0002”はガラスと、それぞれ「マッキントッシュ」の製品に使われる素材をテーマにしました。さらに大量生産へのアンチテーゼとして、1960年代のイタリアで起こった芸術運動「アルテ・ポーヴェラ」からもインスピレーションを得ています。自然の木や、道端に落ちている石などでアートを作る運動で、ゴムやガラスを使うマリオ・メルツ(Mario Merz)というアーティストが重要なイメージソースです。