三陽商会は2月に発売した「ポール・スチュアート(PAUL STUART)」の女性エグゼクティブ向け商品“ファーストジャケット(テーラードタイプ)”の好調を受け、“ファーストジャケット(Vカラータイプ)” “ファーストバッグ”“ファーストコート”を新たに8月23日に発売した。同30日には、管理職女性約40人を招待してイベントを開催。スタイリストの犬走比佐乃をゲストに迎え、新商品を使ったビジネスシーンにふさわしいコーディネートを披露した。
イベントで特に来場者の関心が高かったのが“ファーストバッグ”だ。「A4ではなくA4の書類を入れた封筒が入るサイズ」や、PC用のクッション付きポケットをはじめとする13個のポケット、鋲付きの底、レザーを使用しながらも女性らしい曲線を意識したデザインなど、使い勝手を十分考慮しながらも7万~8万円という価格に抑えた。当日限定カラーを含めた5色がイベント後に販売されると、即決で買っていく人も見られた。限定カラーをオーダーした50代の内科医の女性は「買おうと思っていなかったが、セミナーを聞いて機能性が高くて使いやすそうと思った。ラグジュアリーブランドにはあまり関心がないし、7万円という価格もちょうどいい」と話す。マスコミ勤務の30代女性は8万円の型押しバッグを購入。「最近使っていたバッグが壊れて、ちゃんとしたのが欲しいと思っていたのでちょうどよかった。PCを入れて持ち歩きたいので、軽くて丈夫なこのバッグに感動した」と満足気だった。
小林裕子・事業本部ポール・スチュアートビジネス部販売担当部長は、「2月に開催した第1弾のイベントのアンケートで、バッグへの要望が多かった。10万円以下でフォルムの美しさと機能性を兼ね備えたバッグは少なく、メンズのバッグを持っている女性も多いことが分かった」と開発の経緯を話す。「管理職になった時に、良いバッグが欲しいと思ってラグジュアリーブランドを回ったら、あまりの値段の高さにびっくりした」という自身の経験も後押しした。「自分も管理職女性として、ちゃんとしたバッグが欲しかったので開発に時間をかけてもいいのでは?と思っていたが、一発で予想以上の商品ができた」と自信ものぞかせる。実際に店舗での売れ行きも好調で、発売後2週間の売り上げは計画を2倍近く上回る売れ行きだ。特に「8万円のクロコの型押しバッグが好評」(三陽商会広報)という。
2月に発売した“ファーストジャケット(テーラードタイプ)”は、同ブランドの従来商品の約2倍の価格にもかかわらず、発売後2週間で追加生産となった。ジャケット全体の売り上げもけん引し、前年同期比15%増を記録。新たに発売した“ファーストジャケット(Vカラータイプ)”も「滑り出しは好調でテーラードタイプを上回る売れ行きで推移している」(三陽商会広報)という。