10月31日に発表された、クリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)=バーバリー(BURBERRY)プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)の2018年3月退任、同年末退社のニュースに業界は騒然となり、早くも後任をウワサする声が聞こえている。
17年間同ブランドに携わったベイリー=プレジデント兼CCOは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」時代のマーク・ジェイコブス(Marc Jacos)、「ランバン(LANVIN)」時代のアルベール・エルバス(Alber Elbaz)、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」クリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤー(Thomas Maier)、そして「シャネル(CHANEL)」や「フェンディ(FENDI)」でのカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)と並び、一つのブランドに長く携わったデザイナーとして知られる。
マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)最高経営責任者(CEO)は7月に開催された年次総会で、「もっとリスクをとる必要がある。進化し、新しいことに挑戦する必要がある。実験し、創造しなければならない。新たなエネルギーを発信するためには自分たちに厳しくあり、全てのビジネスを大胆に進めていく必要がある」と述べていることからも、17年間「バーバリー」のクリエイションに携わったベイリーとは異なる切り口から選んだ人物が指名される可能性がある。
業界ではイギリス出身の女性が後任になるのではないかという意見が多数を占める。その人物像に当てはまるのがフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)「セリーヌ(CELINE)」クリエイティブ・ディレクターだ。ファイロは08年から同職を務め、ゴベッティCEOとも同ブランドで密に仕事をしている。たびたび退任のウワサが出回ることからも、ファイロが本命候補と予想する業界人が多い。「10月に発表された『セリーヌ』18年春夏コレクションでトレンチコートを多数発表したのは『バーバリー』CCO就任のためのテストランだったのでは?」とスタイリストのケイティ・グランド(Katie Grand)。
その他には、「ヴェルサーチ(VERSACE)」への移籍がウワサされるキム・ジョーンズ(Kim Jones)「ルイ・ヴィトン」メンズ・アーティスティック・ディレクターや、今後について沈黙を貫くアルベール・エルバス元「ランバン」アーティスティック・ディレクター、10月に「ナイキ(NIKE)」およびNBAとの協業を発表したリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)元「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・ディレクター、イギリス出身のスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)「コーチ(COACH)」エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、トーマス・マイヤー「ボッテガ・ヴェネタ」クリエイティブ・ディレクターなど複数の名前が挙がっており、今後の動向に注目が集まる。