ビジネス

黒人差別問題渦中の「H&M」 コラボアーティストの契約解消宣言相次ぐ

 米ラッパーのG・イージー(G-Eazy)は、黒人差別問題渦中の「H&M」との契約解消の意志を自身のインスタグラムで発表した。「H&M」が「Coolest monkey in the jungle(ジャングルで最もクールな猿)」とプリントされたフーディーを黒人のキッズモデルに着せて撮影し、同商品を画像とともに公式ECサイトで販売。あるSNSユーザーによって人種差別を糾弾されたことで炎上した。それを受けてまず米シンガーのザ・ウィークエンド(The Weeknd)が自身のツイッターで「H&M」とのパートナーシップ解消を決断したことを表明した。

 「H&M」はこうした動きを受けて1月11日夜、公式サイトに謝罪文を掲載した。しかし、その数時間後にG・イージーは王冠をつけた黒人キッズモデルが「Coolest king in the world(世界で最もクールなキング)」とプリントされたフーディーを着用した風刺画を、「ここ数カ月間、『H&M』とのコラボコレクション発売をとても楽しみにしてきた。だが残念ながら、昨日この不快な画像を見てからコラボプロジェクトへの情熱が泡のように消え、『H&M』とのパートナーシップを解消することを決めた。気づかずに見落としてしっまったのか、そうでなくても2018年で1番残念で不快な出来事だ。人種的かつ文化的にも無神経なこの画像がスタイリスト、フォトグラファー、クリエイティブチーム、マーケティングチームなど、多くの関係者が誰も気づかずに世に出てしまったことは到底受け入れられない。このような企業と自分の名前やブランドが関係を持つことが許せなかった。『H&M』や、その他の企業がこの状況で目を覚まし、人種的かつ文化的な意識を高め、あらゆるダイバーシティーを受け入れて正しい道を進んでくれることを願う」というキャプションとともに投稿した。「H&M」とG・イージーのコラボコレクションは3月1日に発売する予定だったが、残念ながら陽の目を見ることはなさそうだ。

 「H&M」は謝罪文で、「人種差別や偏見はさまざまな形で生まれてしまう。それが意識的、無意識的、意図的または偶発的であろうと認めてはならず、社会から根絶する必要がある。今回の出来事は、このような課題に細心の注意を十分に払うことができなかった」と今回の出来事が“アクシデント”だと説明。問題のフーディーは世界中で販売中止にし、リサイクルに回すという。

 「H&M」はこれまで、G・イージー、ザ・ウィークエンドの他、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)、ザラ・ラーソン(Zara Larsson)、デイヴィッド・ベッカム(David Beckham)といったアーティストやセレブとコラボしている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。