ファッション

リシュモンが有名写真家の作品を広告に無断使用か 27億円超の訴訟に発展

 スコットランド出身の写真家アルバート・ワトソン(Albert Watson)は、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が傘下の「カルティエ(CARTIER)」のプロモーションに自身の作品を無許可で使用したとして、2500万ドル(約27億2500万円)の損害賠償を求め、ニューヨークの連邦裁判所に訴えを起こした。

 「この作品は有名で自身を象徴する作品。さらに、原告(ワトソン)のプライベートコレクションで一度も商業利用を許可したことがなかった。これまでも広告キャンペーンに使用したいという申し出を多数受け、全てを却下してきた。それは商業利用を認めていない他の作品の価値を壊しかねないからだ」と主張する。

 一方で、2016年にスイスで開催されたアートフェス、サン・モリッツ・アートマスターズにおいて、賞品として配布するために枚数を限定して複製を許可したことはあるという。このイベントのスポンサーを「カルティエ」が務めていた。

 同イベント終了後、「カルティエ」はワトソンのエージェントに当該作品を広告に使用するための許可を求めたが即座に却下された。その際にエージェントは「いくら支払っても商業利用は認めない」と伝えたにもかかわらず、「カルティエ」は作品を無断で広告に使用し、雑誌などにも掲載されたという。

 リシュモンからはコメントを得られなかった。

 ワトソンが提出した訴状によると、リシュモンが無断で使用したとする写真は1994年に出版した写真集「Cyclops」に収録されている「豹と有名人の顔を合成した写真」と説明されていることから、ミュージシャンのミック・ジャガー(Mick Jagger)と豹を合成した92年の作品だと推察される。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。