売れっ子デザイナー兼アーティストであるハイメ・アジョン(Jaime Hayon)のライブペインティングが3月13日、フリッツ・ハンセン青山本店で行われました。ハイメはアルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)など北欧名作家具で知られる「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」の現代の顔ともいえるデザイナーです。前日にトランクホテル(TRUNK HOTEL)で行われた、ヤコブセンの“エッグチェア”などの名作誕生60周年を記念した展示のオープニングパーティーにも登場し、来場者との交流を楽しんでいました。
青山本店には、ハイメのライブペインティングを一目見ようと多くの人が来場。ペイント用のキャンバスは、彼がデザインした“アナログ”テーブルです。「子どもの頃は、よくテーブルに絵を描いて親父に怒られたものだけど、ライブペイントするのは初めてだよ」というハイメは、マーカーを使ってのびのびとした線を描き始めました。人の顔らしきものに抽象的な線があちこちに施され、オレンジやブルーで彩りを加え約10分で作品が完成しました。家具などのプレゼンテーションに関しては天才ともいえるハイメですが、完成後に照れながら合掌。完成したテーブルは競売にかけられ、収益金は全額タイ・バンコクのホームレスの子どもたちのために寄付されます。
ハイメにライブペインティングの感想を聞くと、「ちょっと不思議な感じだった。僕はアーティストだから毎日絵を描くけど、このような状況はあまりないからね」と言います。インスピレーションは、彼の頭の中にあるありとあらゆるもので、自然と溢れ出るものだそうです。昨年デザイナーのジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)と始めたアパレルブランド「ジィジィババ」に関して聞くと、「スタイルやアイデンティティーという意味ではファッションもインテリアも同じ。ジャスパーとはいい友達。共通点も多いから自然な流れだね。彼にはいつも、いいデザインとはどういうものか考えさせられるよ」とコメント。家具や空間、展覧会と世界中を飛び回る売れっ子ですが、「これから、もっと来日の機会が増えるといいな」と親日家ぶりをみせました。