「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」は、eコマースプラットフォームの「ウィッシュ ドットコム(WISH.COM以下、ウィッシュ)」に出店している161の業者が「オフ-ホワイト」のコピー商品を販売したとして、「ウィッシュ」での営業停止の仮処分と損害賠償を求めて訴訟を起こした。
「オフ-ホワイト」がコピー商品だと主張するアイテムは主に中国製で、商標登録しているストライプや矢印のデザインが模倣され、ブランド名も無断で使用されていたという。「オフ-ホワイト」は、各アイテムについてそれぞれ200万ドル(約2億1200万円)の損害賠償を請求。同時に、係争中は「ウィッシュ」における営業活動の停止を命じる仮処分を求め、仮処分については認められた。
「オフ-ホワイト」を手掛けるヴァージル・アブローは、高品質な素材や縫製、そして口コミによってブランドが成功したと主張し、コピー商品は利益の減少、ブランド価値の棄損、新規顧客の獲得機会損失などあらゆる損害をもたらすと訴えた。
一方で、訴訟の当事者ではないが、「ウィッシュ」を運営するコンテクストロジック(ContextLogic Inc.)は、「模倣品ではない商品にまで規制がかかっている」と主張し、裁判所に仮処分の部分的な取り消しを求めている。コンテクストロジックのマラル・ベンハム・ガルシア(Maral Benham-Garcia)=ブランド・プロテクション・マネジャーは、ブランド側が模倣品を発見した時に商品の取り下げを求めることができる仕組みを「ウィッシュ」には設けているが、「オフ-ホワイト」からの申し出は一度もなかったと主張する。
また、同社は「オフ-ホワイト」が発見したコピー商品についてはすでにウェブサイトから取り下げ、その上で独自に調査し発見したコピー商品も追加で取り下げたという。また、同社は161の業者の活動状況をまとめたレポートを作成。「ウィッシュ」を通じて4100万ドル(約43億4600万円)を売っており、そのうちの118万ドル(約1億2500万円)は「オフ-ホワイト」のコピー商品の売り上げだったとしている。さらに、161の業者のうち、36の業者についてはプラットフォームから排除したという。
背面にストライプロゴが入ったデニムジャケットは、「オフ-ホワイト」が765ドル(約8万1000円)で販売しているのに対して、コピー商品は41ドル(約4300円)、矢印のデザインが入った長袖のコットンシャツは、正規品が540ドル(約5万7000円)のところ模倣品は22ドル(約2300円)で販売されていた。