「コーチ(COACH)」や「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)傘下のシューズブランド「スチュアート ワイツマン(STUART WEITZMAN)」の前クリエイティブ・ディレクター、ジョバンニ・モレッリ(Giovanni Morelli)がセクシャルハラスメントで訴えられた。
訴えを提起したのは3月から「スチュアート ワイツマン」のプロダクト・ディベロップメント・フットウエア事業のバイス・プレジデントを務めるトーマス・ギブ(Thomas Gibb)で、それまでは「コーチ」のフットウエア・オペレーション事業のバイス・プレジデントだった人物だ。ギブ=バイス・プレジデントは、親会社のタペストリーとモレッリの2者に対して訴訟を提起している。
タペストリーのスポークスウーマンからは訴訟に関するコメントは得られなかったが、5月15日にギブ=バイス・プレジデントの代理人がタペストリーに連絡してきたことから「調査を開始し、21日に発表したモレッリの退社につながった」と話した。モレッリからはコメントを得られなかった。
モレッリは2月にデビューコレクションを発表したばかりだったが、わずか1年で退社し、その理由をタペストリーのビクター・ルイス(Victor Luis)最高経営責任者は、「当社は個々を尊重する会社だ。ジョバンニの才能は尊敬する一方で、彼には当社の規範を満たさない態度が見られた」と話し詳細な説明はなかったが、訴訟を起こされたことで退社の理由が明らかとなった。
裁判所に提出された書面によるとギブ=バイス・プレジデントは、モレッリの性的な発言が職場の空気を悪くしたり、出張中に体を不必要に触られたり、「同性愛に興味はないか?」と聞かれるなど不適切な言動を向けられたという。さらに、ギブ=バイス・プレジデントが「スチュアート ワイツマン」の人事部に複数回申し出ても、モレッリがブランドの“顔”であることから、「完全に無視された」と主張する。
ギブ=バイス・プレジデントは両者に対して損害賠償の支払いや弁護士費用の負担などを求めている。