「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」が全面的なリブランディングによってさらなるグローバル展開を目指す。ロゴを刷新する他、9月からウェブサイトと店舗デザインをリニューアルする。業界筋によると、リニューアルは3億5000万〜4億ドル(約388億〜444億円)の売り上げをもたらすという。
「ローラ メルシエ」は1996年にフランス人のローラ・メルシエ(Laura Mercier)が立ち上げたブランドで、20周年を迎えた2016年に資生堂が2億6000万ドル(約288億円)で買収した。資生堂は現在プレステージブランドのグローバル展開に力を入れており、「ローラ メルシエ」も対象になっている。9月にはグローバルメイクアップブランド「SHISEIDO メイクアップ」の全面リニューアルを控えている。
新しくなったロゴは、"LAURA MERCIER"の文字の下に"PARIS"と"NEW YORK"を加え、ニューヨークを拠点にしつつパリにルーツを置くブランドのアイデンティティーを表現した。フォントもモダンでシャープにアップデートしている。リニューアルしたロゴは19年1月からパッケージに用いられる予定だ。新しい店舗のデザインにもニューヨークとパリの要素を取り入れる他、店内にはメイクアップを学ぶことができる動画を流し、主軸商品のベースメイクを強調したカウンターを設ける。今後さらに力を入れるリップやアイメイクアップアイテムのラインアップも充実させる。モダンなニューヨークとセンシュアルなパリのイメージを融合した新しい広告ビジュアルには、モデルにアリシア・バーク(Alicia Burke)とジョゼフィーヌ・ルチュトゥール(Josephine Le Tutour)、ルイーズ・フォラン(Louise Follaine)、クレア・グエナ(Claire Guena)を起用し、フォトグラファーなどのスタッフにも多くの女性を活用。今後はSNSやインフルエンサー戦略専門のチームを社内に設け、デジタルも強化する。
アレクサンドラ・パパジアン(Alexandra Papazian)「ローラ メルシエ」グローバル ジェネラル マネジャーは「われわれはルースパウダーとティンティドモイスチャライザーではナンバーワンブランド、下地ではリーディングブランドだ。これらのアイテムはブランド創立から20年以上経った今も伸び続けており、これからもブランドの主軸製品として育てていく。同時に、今後はリップやアイメイクカテゴリーにも注力する」と語った。また、売り上げは現在アメリカとイギリスが大半を占めているという。「アジアやトラベルリテールを強化することにより、グローバルなブランドのポジションを確立していく。新しくしたロゴもそういった狙いがある」と説明した。なお、今回のリニューアルで創業者のメルシエは引き続き製品開発や教育、SNSでの活動などで、ブランドに関わっていく。