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コティ2018年度決算は「グッチ」「ティファニー」がけん引し2ケタ成長

 コティ(COTY)の2018年6月期決算は、売上高が前期比22.8%増の93億9800万ドル(約1兆337億円)、営業利益が前期4億3780万ドル(約481億円)の赤字から1億6120万ドル(約178億円)の黒字に、純損失が同3億9850万ドル(約442億円)から1億2780万ドル(約140億円)になった。

 事業別では、ラグジュアリービューティ事業部の売上高が同25.1%増の32億1050万ドル(約3531億円)で、トラベルリテールが好調だった。「グッチ(GUCCI)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」が売り上げをけん引し、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「フィロソフィー(PHILOSOPHY)」も人気だった。アジア、中米、中東、アフリカではフレグランスとスキンケアともに伸びた。また今後は、17年10月に買収した「バーバリー(BURBERRY)」のビジネスにも期待を寄せる。

 コンシューマー事業部は同15.7%増の42億6810万ドル(約4694億円)だったが、現地通貨ベースでは同4.0%減だった。P&Gから買収した41の不採算ブランドの業績を安定させている最中だが、復調まではしばらく時間がかかりそうだ。特に同社にとって2大マーケットのヨーロッパと北米でのマス市場の低迷が痛手になっている。アジアや中東などの他の地域は安定していたものの、ブラジルではトラック運転者のストライキが大きく影響し、同地域では減収を招いた。近年「カバーガール(COVERGIRL)」の復調を目指し、大型のリブランディングを行った。「マックスファクター(MAX FACTOR)」もリブランディングして業績改善に成功した。一方で、「リンメル(RIMMEL)」はイギリスと北米が苦戦し売り上げを落とした。「ウエラ(WELLA)」は新製品が少なかったものの、新興地域で売り上げを確保した。

 プロフェッショナル事業部は同37.5%増の19億1940万ドル(約2111億円)だった。ジェルネイル商材が伸びた「OPI」と「カラー アンド ケア」ラインや新製品「ウエラプレックス」が人気だった「ウエラ プロフェッショナル(WELLA PROFESSIONALS)」が好調で、その他「GHD」も堅調に推移した。

 同社はまた、パトリス・ドゥ・タルエ(Patrice de Talhouet)最高財務責任者の退任を発表した。後任は決まっておらず、アイーシャ・ザファール(Ayesha Zafar)=シニア・バイス・プレジデント兼グループ コントローラーが暫定的に同職に就く。カミロ・ペイン(Camillo Pane)最高経営責任者は「18年はよい1年だったが、まだ課題は残る。大型の買収だったため、しばらくは黒字になるまで時間がかかるが、P&Gから買収したブランドを傘下に入れてから、システムの改善や生産流通基盤をあらためて整えている」と振り返った。19年は、売上高13億ドル(約1430億円)を目指す。

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