「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のデザインチームに、自身のブランドを7月に去ったアクセサリーデザイナーのオランピア・ル・タン(Olympia Le Tan)が加わったことが判明した。しかしオランピアの正式な肩書きなどは明らかになっていない。
「マーク ジェイコブス」のスポークマンは「オリンピアが『マーク ジェイコブス』のデザインチームに加わることをうれしく思う。われわれはマーク・ジェイコブスのビジョンを現実にすべく、才能あるデザイナーを何人も抱え、新たな感性とアイデアをブランドにもたらす人を探していた」と語った、一方で彼女の加入はかつてのセカンドライン「マーク バイ マーク ジェイコブス」とは無関係で、このブランドを再開する予定はないという。「マーク バイ マーク ジェイコブス」はルエラ・バートリー(Luella Bartley)やケイティー・ヒラー(Katie Hillier)がデザイナーを務めていたが、2015-16年秋冬コレクションを最後に終了している。
フランス出身のオランピアは「シャネル(CHANEL)」のカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の下でキャリアをスタートし、「バルマン(BALMAIN)」などで経験を積んだ後、09年にフランス人プロデューサーのグレゴリー・ベルナール(Gregory Bernard)の支援の下で自身のブランドを設立。文学作品の表紙を手刺しゅうで表現したブック型クラッチバッグで知られるようになる。12-13年秋冬シーズンにはアクセサリーコレクションに加えて、プレタポルテもスタートさせ、14年にはパリのパレロワイヤルの裏手に初の路面店を出店した。15年には取り扱いアイテムの拡張やECサイトのリニューアルの名目でフランスの投資会社オーダシア(AUDACIA)から100万ユーロ(約1億2900万円)の資金を得ていたが、17年3月に発表した17-18年秋冬コレクションを最後にパリコレの公式スケジュールからは名前が消えていた。情報筋によるとその頃から管財人の管理下に置かれていたという。彼女の自身のブランドでのラストコレクションは17年3月に披露された。また、「ユニクロ(UNIQLO)」や「ランコム(LANCOME)」ともコラボしていた。
7月に突然インスタグラムでブランドを去ったことを報告したオランピアは「全ての挑戦には困難が付きものです。とても残念ですが、また新しい挑戦はすぐに始まり、これまで以上に素晴らしいものになると確信しています」と語っていた。マーク・ジェイコブスとオランピアは長年の付き合いで、ニューヨークのブックマーク(BOOKMARC)にはオランピアの書籍も置かれている。
「マーク ジェイコブス」は、17年4月にコンテンポラリー部門のデザイナーを務めていたジョン・ターゴン(John Targon)がわずか2カ月半で退任している。