フォトグラファーのエレン・フォン・アンワース(Ellen Von Unwerth)が来日し、10月末に銀座 蔦屋書店でサイン会を行った。アンワースと言えば、コケティッシュでガーリーなファッション写真で知られるが、今回の来日の目的は、「フランフラン(FRANCFRANC)」の2019年春夏キャンペーンおよびカタログの撮影。同ブランドがアンワースを起用したのは、顧客の多くが女性であり、ファッションを楽しむように部屋のデコレーションを楽しむというメッセージを伝えるためだという。来日したアンワースに、クリエイションから「#MeToo」問題まで聞いた。
WWD:今回「フランフラン」の撮影で来日した感想は?
エレン・フォン・アンワース(以下、アンワース):来日できて大興奮しているわ。「フランフラン」の世界観はガーリーでカラフルな私の世界観とよく似ているから、ファッションのように撮影するつもり。
WWD:インテリアの撮影は初めて?
アンワース:駆け出しのころ、オフィス家具の撮影をしたことがあるわ。セクシーな秘書が必要だわって、モデルを使って撮影した。
WWD:今回の撮影で何を表現したいか?
アンワース:2人の女の子が住む家がテーマよ。彼女たちの生活のいろいろなシーンを捉えるつもり。料理したり、ドレスアップしたり。「フランフラン」には壁紙など、いろいろと遊び心たっぷりに使えるものがあるから、ちょっと大げさに演出して、キャンペーンやカタログを見る人に、「私も同じような部屋で生活したい」と思ってもらいたい。
WWD:被写体によって撮影のスタイルは変わるか?
アンワース:変わらないわ。私は、1950年代や60年代の映画が大好きなの。ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)やソフィア・ローレン(Sophia Loren)などの女優のファッションとかね。今回は映画「ロスト・イン・トランスレーション(Lost In Translation)」が撮影された「パークハイアット東京(PARK HYATT TOKYO)」に滞在するから、すごくワクワクしている。どんな撮影の時も、必ず女性が被写体の一部として存在するの。
WWD:自身の作風について、どう思うか?
アンワース:自分の作風について語るのは難しいわね。誰かに語ってもらう方がいいと思うけど……。女性のセンシュアルな部分を解放する感じかしら。
WWD:ファッションとインテリアの関係についてどう思うか?
アンワース:とても近い存在だし、共存するものだと思う。どちらも美しい方がいいじゃない。
WWD:「#MeToo」ムーブメントについてどう思うか?
アンワース:女性が勇気を出して発言したのはいいことだと思うけど、本当にショックな出来事だった。今はSNSですぐ拡散されるでしょう。男性、女性、立場などに関係なく全員が責任を持つべきことだって思う。清教徒のように行動するべきとか、女性に尼になれとは言わないけれど。この件に関して、今はあらゆる人が恐怖心を抱いている。そのうち全てあるべきところに収まるとは思うけど。