サザビーリーグは11月に新会社メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)を設立し、同名のオリジナルブランドを始動する。19年3月には東京・南青山の「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」跡地に旗艦店を開き(東京都港区南青山5-4-41)、同時期に都内のファッションビルとECモールにも出店する。半年ごとに1~2店舗程度を出店し10店舗程度にまで広げる。
新会社のトップに就任した帰山元成・社長は「サザビーリーグとして将来のファッションビジネスモデルを変えていかなければならない。サザビーリーグとは異なるオペレーションで行う必要がある」と説明。現在社員は15人程度。デザイナーは新たに外部から招へいした。
帰山社長はもともと大手総合商社で「アニエスベー(AGNES B.)」のビジネスに関わっていた。「当時のプロパー消化率は90%で、これがブランドの正しい在り方だと思う。今のシステムを変えていきたい。サザビーリーグの挑戦だ」と意気込む。具体的には「100の需要に対して作る量は80~90程度の、小ロット生産のモデルを作る。プロパー消化率の目標は80%だ」と言うが、ブランドの規模が小さいと関係企業への協力を得るのが難しいのが現状だ。「総合商社時代でモノ作りをしていた経験を生かす。このコンセプトを理解してもらい、協力体制を作っていきたい。サザビーリーグが腰を据えた事業にしていく」と語り、「急拡大ではなく、ブランドを長く愛してもらうための折り合える点を探していく。売り上げと利益を伸ばし続けなければいけない上場企業とは異なるアプローチだ」と続ける。
「メゾン スペシャル」は、「そこにしかない技術や素材に今を捉えた先進的で機能的なデザインをのせて、スペシャルな日常を作り出す服の提供を目指す」という。例えば、メンズではコーヒーなどの汚れをはじく加工や汗シミ防止加工を施したシャツ、スマートフォンが入るポケット付きのパンツなどを提案する。はっ水機能やイージーケアの製品が多いのも特徴だ。ウィメンズはトレンチコートとジャケット、スカートになる3WAYのアイテムや、ミニマルなセットアップなどがそろう。価格帯はアウターが3万円台、トップスが1万円台半ば、パンツが1万円台後半、ワンピースが2万円台前半を予定する。
ブランドネームには、「お客さまにエモーショナルな体験をしてもらうために、何がスペシャルなのかをカラーを変えて提案する」。上質生地、装飾的生地、着心地、利便的機能、加工などを色分けしたタグで示す。
帰山社長は「5年後にはEコマースと合わせて売上高50億円程度のブランド作りを目指す。それ以上に広げるとロスが出ると考える」と言う。