カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏の葬儀は、故人の遺志により、近親者のみで静かに営まれることが2月20日に発表された。詳細は非公開で、メディアの参列は許可されないという。
ラガーフェルド氏の“葬式嫌い”は有名で、ほとんどの場合は参列を断っていた。数少ない例外は、長年のパートナーだったジャック・ドゥ・バシェール(Jacques de Bascher)氏が亡くなった際に、葬儀を自ら手配して参列したことだろう。
生前、ラガーフェルド氏は公葬を希望しない旨を明確にしていた。2018年に仏「ヌメロ(NUMERO)」誌に掲載されたインタビューでは、母エリザベス(Elisabeth)と、もし先に亡くなっていれば愛猫のシュペット(Choupette)の近くに遺灰をまいてほしいと語っている。また12年に発表されたドキュメンタリー映画「カール・ラガーフェルド スケッチで語る人生(原題:KARL LAGERFELD SKETCHES HIS LIFE)」でも、「遺体がスペースを取ってしまうことが嫌だ。それに、追悼といった類のことも好きではない。ただ消え去るのみだ。私は葬儀が嫌いで参列しないのに、それを他人に強いたくはない。大体、私は無宗教なのにどんな葬儀をするというのか。死んだらそれで終わりでいいじゃないか」と話している。
とはいえ、多作で才能にあふれたデザイナーの一人であるラガーフェルド氏の訃報は、ファッション界に大きな衝撃と悲しみを与え、数えきれないほどの追悼文がインターネット上や各紙に掲載されている。なお、ラガーフェルド氏が最後に手掛けた「フェンディ(FENDI)」のショーはミラノで現地時間の2月21日に、同じく「シャネル(CHANEL)」のショーはパリで3月5日に発表される。