ロレアル(L’OREAL)の2018年12月期決算は売上高が前期比3.5%増の269億3740万ユーロ(約3兆3671億円)、営業利益は同5.2%増の49億2200万ユーロ(約6152億円)、純利益は同8.7%増の38億9540万ユーロ(約4869億円)の増収増益だった。なお、既存店ベースでの売上高はアナリスト予想の同6.7%を上回る同7.1%増だった。
部門別の売上高では、「ランコム(LANCOME)」の売り上げが30億ユーロ(約3750億円)を突破するなど絶好調だったリュクス事業部が同10.6%増の93億6720万ユーロ(約1兆1709億円)、アクティブコスメティックス事業部が同9.2%増の22億7550万ユーロ(約2844億円)と増収になったが、プロフェッショナル事業部は同2.6%減の32億6250万ユーロ(約4078億円)、コンシューマー事業部が同0.7%減の120億3220万ユーロ(約1兆5040億円)と減収になった。
地域別の売上高では、大幅な成長を続けているアジア太平洋地域などの新興市場(中南米、東欧、中東、アフリカを含む)が同10.3%増の116億3810万ユーロ(約1兆4547億円)だったが、西欧は同0.7%減の80億6510万ユーロ(約1兆81億円)、北米は同1.6%減の72億3430万ユーロ(約9042億円)だった。アジア太平洋地域の売上高は同20.4%増の74億560万ユーロ(約9257億円)で、初めて北米の売上高を上回った。
ジャン・ポール・アゴン(Jean-Paul Agon)=ロレアル会長兼最高経営責任者は、「ビューティ業界全体が成長する中、当社も07年以来の大幅な成長率となった。特にリュクス事業部とアクティブコスメティックス事業部が好調で、既存店ベースではそれぞれ前期比14.4%増および11.9%増の2ケタ成長を記録した。地域別では中国がけん引するアジア太平洋地域の成長が著しく、売上高で北米を抜いている。世界の経済情勢は引き続き不安定で不透明感が残るが、企業としての社会的責任を果たしつつ、19年度も業界水準を上回る業績を上げて増収増益を目指す」と自信を見せた。
米中貿易摩擦などにより、中国経済の冷え込みから来るラグジュアリーブランドの業績低迷が懸念されていたが、絶好調だったLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の18年度決算に続き、ロレアルもそうした懸念を払拭する結果となった。