ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI以下、アルマーニ)の2018年12月期決算は、売上高が前期比9.8%減の21億ユーロ(約2541億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)が同28.2%減の3億1430万ユーロ(約380億円)、純利益が同37.3%減の1億5200万ユーロ(約183億円)の減収減益だった。
地域別の売上高では、ヨーロッパが全体の46%、北米とアジアがそれぞれ同22%を占め、それ以外の地域が10%だった。
ジョルジオ・アルマーニ会長兼最高経営責任者(CEO)兼ジェネラル・マネジャーは、「ラグジュアリー分野におけるアルマーニ・グループの優位性を維持するための戦略に自信を持っている。19年上半期の売り上げにポジティブな兆候が表れていることからも、正しい方向に進んでいることは明確だ」と語った。
同社は17年2月に、18年春夏コレクションから「ジョルジオ アルマーニ」「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」「A|X アルマーニ エクスチェンジ(A|X ARMANI EXCHANGE)」の3ブランド体制に移行すると発表。「アルマーニ コレツィオーニ(ARMANI COLLEZIONI)」と「アルマーニ ジーンズ(ARMANI JEANS)」はそれぞれ「エンポリオ アルマーニ」に統合した。これは厳しさを増す市場に対応するべくコアブランドを強化し、それらの可能性を最大限に引き出すための戦略だ。アルマーニ会長兼CEO兼ジェネラル・マネジャーは18年の決算発表時に、「17年度の減益はブランド再編の戦略上、想定内だった」とコメントしている。
なお18年度末の純資産は前期比でほぼ横ばいの20億6000万ユーロ(約2492億円)、現金および現金同等物は同30.5%増の13億1000万ユーロ(約1585億円)だった。同社はこの潤沢な流動性資産を活用し、今後も各ブランドに積極的に投資していくという。実際、18年の投資額は同28.4%増の1億600万ユーロ(約128億円)となっている。
同社はまた、ニューヨーク・マディソンアベニュー旗艦店を改装して高級マンションを併設するという。店舗を現在の4層構造から2層構造とし、同じ建物内にアルマーニがデザインを手掛ける19戸の住宅が造られる。20年に着工し、23年に完成予定だ。アルマーニは04年にホスピタリティー業界に進出しており、10年にはドバイに、11年にはミラノにラグジュアリーホテルを開業している。
日本では、19年3月に東京・アルマーニ / 銀座タワーがリニューアルオープン。5月にはアルマーニ会長兼CEO兼ジェネラル・マネジャー自身が、「ジョルジオ アルマーニ」20年プレ・スプリング・コレクションのために12年ぶりに来日した。その際には、日本百貨店協会が同氏の長年の功績をたたえる「感謝の会」をイタリア大使館で開催し、百貨店のトップや幹部が一堂に会した。日本はアルマーニにとって重要な市場で、全国でおよそ90カ所、東京だけでも34カ所の販売拠点がある。なお、同氏は7月11日で85歳を迎えた。