業界筋によると、レブロン(REVLON)は米レーバー・デー(労働者の日で今年は9月2日)以降に上場維持につながる買い手候補を見つけるために身売りもしくは一部事業の売却作業を始めるという。ゴールドマン サックス(GOLDMAN SACHS)が仲介する。なお、筆頭株主のマックアンドリューズ&フォーブス(MACANDREWS & FORBES)のシニアエグゼクティブによると、同社をプライベートカンパニーとして非公開化する予定はないという。
レブロンは近年業績が悪化し続けている。現在、スキンケアブームの恩恵を受け、2016年に買収した「エリザベス アーデン(ELIZABETH ARDEN)」が最も好調な事業だ。一方で「レブロン」は売り上げを落とし続け、18年12月期決算は売上高が前年比8.4%減の9億9830万ドル(約1048億ドル)と10億ドル(約1050億円)を切った。主にマスメイクアップ市場が苦戦する北米事業の影響を受けたとされる。さらに全体では、19年上半期(1〜6月)は売上高が同3.8%減の11億2340万ドル(約1179億円)で、営業損失が昨年の1億1970万ドル(約125億円)から3270万ドル(約34億円)、純損失が昨年の2億1280万ドル(約223億円)から1億3880万ドル(約145億円)になった。
金融系の情報筋によると、「エリザベス アーデン」は買い手が見つかる可能性がある一方で、「レブロン」の現状を「非常にまずい」と分析する。レブロンが米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類には、同社が約27億ドル(約2835億円)の長期債務を抱えていると記載されている。「『レブロン』への投資不足、さらに有益な買収をできなかったことが一番の要因」と情報筋は語る。
同社は復調すべく経営トップの入れ替えなども行ってきた。現在はマックアンドリュー&フォーブスのオーナーであるロナルド・ペレルマン(Ronald Perelman)の娘、デビー・ペレルマン(Debbie Perelman)が最高経営責任者(CEO)を務めている。彼女はレブロン初の女性(CEO)として昨年同職に就任した。その前は「エリザベス アーデン」の買収を率いたファビアン・ガルシア(Fabian Garcia)が2年足らず、そのさらに前はロレンツォ・デルパーニが約3年CEOを務めた。