コーセーは、デジタルと体験を融合した新コンセプトストア「メゾン コーセー(MAISON KOSE)」を12月17日に東京・銀座にオープンする。ストアでは2014年に傘下に収めた米・化粧品ブランド「タルト(TARTE)」を日本初展開するほか、同社のスキンケアやメイク、ヘアケアに至る全ブランド(一部商品を除く)をカテゴリーごとに配置。ブランド軸に捉われないアイテム選びの場を提供するとともに、消費者の購買動向などを商品開発にも生かしていく。
「メゾン コーセー」は、11月8日に立ち上げたオウンドメディアと連携し、これまで顧客に対し一方向に発信していた情報を全方位かつ双方向にして利便性の向上を図ることが狙い。“Find Your Own Beauty”をテーマに、デジタル技術を活用した美容に関わるさまざまな体験を、同社が展開する全ブランドで楽しむことができる。
店舗は2フロア構成で、延べ床面積は500平方メートル。1階は3カ月ごとに取り扱いブランドを変更するポップアップスペースで、スタート時は「タルト」を扱う。2階はアルビオンを除くコーセーグループのスキンケア、メイクアップ、ヘアケアをそろえる。ブランドや販売チャネルの枠を超えて商品を陳列する。
また、2階にはパナソニックが開発中の「スノービューティーミラー」を設置。ミラーの前に座るとお客の肌状態を分析して瞬時に数値化する“肌分析機能”や、心の中にある“なりたい顔”のイメージを見える化する“理想顔システム”などを搭載する。2020年1月以降はこれらデータを活用し、“セカンドスキン”となる極薄膜のカスタマイズシートを提供するサービスも実施する。このカスタマイズシートは将来的に皮膚疾患の人に向けた医療領域もカバーする予定だ。そのほか、1階と2階にカシオ計算機と共同開発したネイルプリンターを合計5台設置し、登録されたネイルデザインの中からお気に入りのデザインをプリントすることも可能だ。これらもネイルの商品開発につなげる狙いがある。
オープンに先駆け、11日に内覧会を実施。同社の小林一俊・社長は、「当社はこれまでブランドの垣根を越えたイベント『ビューティフェスタ』を8回行ってきた。これを常設にしたいという思いから、『メゾン コーセー』を誕生させた。(パナソニックやカシオ計算機との協業は)現在はデジタルとの融合が必要不可欠。常に新しい情報を発信できる場にしていきたい」とコメントした。