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環境対策の世界的評価機関CDPでコーセーとファンケルが初めて最高評価を獲得

 環境情報開示に取り組む国際NGOのCDPはこのほど、企業のサプライチェーン全体での気候変動対策について調査・評価する「CDPサプライヤー・エンゲージメント評価」において、優れた企業を最高評価にあたる「リーダー・ボード」として選定し発表した。2020年の調査では、世界5500社以上を対象に評価。全体の上位7%の396社が「リーダー・ボード」を獲得した。日本の化粧品会社では花王が4年連続で選ばれたほか、コーセーとファンケルが初めて選出された。

 今回初選出となったコーセーは、昨年4月に発表した中長期ビジョン「VISION2026」で3つの基盤戦略の1つに「バリューチェーン全体にわたるサステナビリティ戦略の推進」を掲げた。主力スキンケアブランド「雪肌精」で使用済みプラスチック容器を店頭で回収する取り組みを開始するなど、サプライチェーン全体での環境負荷低減に取り組んでいる。「当社グループのサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量をより精緻に把握し、さらなる情報開示を進めた活動について、特に評価を受けたものと考えている」とコメント。同社は昨年12月に発表されたCDP気候変動分野全体の調査でも、初めて最高評価「Aリスト」企業に選定された。

 同じく初選出のファンケルは、18年6月に「ファンケルグループ サステナブル宣言~未来を希望に~」を策定。その中で、4つの重点テーマとして「環境を守る」「健康に生きる」「多様性を認め合う」「ガバナンスの強化」を定めている。30年までにCO2排出量を13年度比で26%削減することを目標に掲げ、グループ全体の省エネ対策や、再生可能エネルギー導入を進めている。

 CDPは環境問題に高い関心を持つ機関投資家からの要請に基づき、企業や団体に気候変動などの環境問題対策に関する情報開示を求め、環境対策を促すことを主たる活動としている非営利組織(NGO)。20年度は世界の時価総額上位企業の半数を超える約9600社がCDPを通じて環境情報の開示を行った。「CDPサプライヤー・エンゲージメント評価」は、4分野の質問(ガバナンス、目標設定、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の管理、サプライヤーとの協働)への回答に基づいて評価している。

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