毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年4月4日号からの抜粋です)
美濃島:毎年、4月第1週はファッション&ビューティ業界の新入社員向け特集です。今年は特集を読んだ新入社員が、「明日から頑張ろう!」と思えるような内容を目指しました。特集冒頭では6社の20代社員を紹介しています。今回は業界のさまざまな現場で実際に働いている“人”にフォーカス。同世代の活躍がより身近に感じられました。
木村:私はビューティの老舗企業、伊勢半の取材が印象的でした。入社1年目の社員を広報に抜擢し、社内インフルエンサーとしてSNS運用などを任せています。ファッション&ビューティ業界は常に新しい感覚を求めており、若い人が活躍しやすい土壌があります。「新人にはできない」ではなく、「あなたのそのフレッシュな感性がほしい」と思わせることができたら勝ちですね。
美濃島:高島屋には、百貨店離れが進む若年層の客を呼び戻すことを目指した、入社2〜4年目の社員によるプロジェクトチームがあります。同チームで、第3回となる催事を今夏行うそう。若い力を取り入れて老舗が変わろうとしている意志を感じます。
木村:活躍している若手は、上司とも良い関係性を築いていました。上司は若い世代に任せっぱなしにするのではなく、何かあれば若手をバックアップする体制もしっかり整えている。若手が余裕を持ってチャレンジできる環境作りも大切ですね。
美濃島:上司世代には、今回の特集を読んで若い世代をどんどん起用してもらいたい。思い切った起用が予想外の結果を生み、会社に新しい流れを生み出すかもしれない。それは大きな価値です。
木村:今回取材した人たちも皆そうでしたが、20代は任されたらちゃんとできる世代だと胸を張って言いたいです。
美濃島:一方で若い世代には、熱血的で時代錯誤かもしれないけど、「前のめりであれ」と伝えたい。
木村:ファッション業界は斜陽と言われることも多く、不安に感じている若手社員もいるかもしれません。でも取材中、「誰かに盛り上げてもらうのを待つのではなく、自分たちで面白くしていけばいい」という言葉も聞けました。
美濃島:同世代でつながって、業界にいいグルーヴを生んでいきたいね。