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「アンプリチュード」「イトリン」ブランド終了で「THREE」に課せられた課題とは

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 ポーラ・オルビスホールディングス(HD)傘下のACROが展開する「アンプリチュード(AMPLITUDE)」と「イトリン(ITRIM)」が2023年度中にブランドを終了すると昨日発表があった。いずれもACROが創業10周年を迎えた18年9月にブランドを開始していたが、「業績は計画を下回っており、今後の事業継続に利点を見出すことは困難」(ポーラ・オルビスHD)とわずか5年で幕を閉じることになった。ACROは今後主力の「スリー(THREE)」と総合メンズブランド「ファイブイズム バイ スリー(FIVEISM × THREE)」で巻き返しを図ることになる。

 現在「アンプリチュード」は国内に22店舗、海外(韓国)1店舗、「イトリン」が国内13店舗、海外(韓国)1店舗を展開する。これら店舗は年内に順次閉店する計画だ。また、2ブランドに関わるスタッフは、「ACRO以外のグループ会社も含め、最大限雇用の確保に努める」という。販売スタッフについては「スリー」への転身を推奨。本部スタッフはACROおよびグループ内への異動のケースもあるが、退職も想定する。「再就職となる場合においては、会社として転職支援を実施する」という。

華々しくデビューも……

 2ブランドのデビュー時は、久々に大型百貨店ブランドが誕生したとビューティ業界で話題になったのを記憶している。「アンプリチュード」はメイクアップアーティストのRUMIKOがクリエイティブディレクターをつとめ、大人女性をターゲットにしたメイクアップブランドとして発信。タレントの田中みな実が愛用するファンデーション“ロングラスティング リキッドファンデーション”(全10色、各30mL、税込各9900円)は、SNSでも話題を集め、多くのベストコスメを獲得するなど順調な滑り出しをきっていた。他方、「イトリン」はプレミアムオーガニックスキンケアブランドとしてデビュー。日本市場でプレミアムオーガニックブランドが希少であり、その市場開拓の立役者として期待がかかっていた。日本古来の植物を主成分にし、完成度の高い商品に美容賢者からの支持が高かったものの、多くの顧客を獲得するまでには時間を要した。

 4ブランドを擁した18年12月期決算時には、毎年15〜20%の売り上げ拡大、21年に黒字化を目指すと掲げていたが、コロナ禍で想定通りの進捗が難しかった。その一因には、いずれも高価格帯(「イトリン」のスキンケアは約1〜2万円、「アンプリチュード」のアイメイクは約5000円〜1万円)であることから、気軽に購入することが難しかったこと。コロナ禍により各社がデジタルシフトを推進する中で、主軸となるべく公式ECサイトが第三者による不正アクセスの影響を受け約8カ月停止していたことなどもマイナス要因となった。

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