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「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」は、デザイナーのピーター・ドゥ(Peter Do)を5月15日付でクリエイティブ・ディレクターに任命した。同氏はウィメンズとメンズの全クリエイティションを担当し、初コレクションとなる2024年春夏コレクションを9月開催のニューヨーク・ファッション・ウイークで披露する。なお、自身のブランド「ピーター ドゥ」は今後も継続する。
「ヘルムート ラング」は1986年の設立。90年代にファッションの一大潮流となったミニマリズムを象徴するブランドの1つとして人気を博した。しかし、2005年に創業デザイナーであるヘルムート・ラングがファッション界を離れ、06年以降はファーストリテイリンググループのリンク・セオリー・ジャパンが運営している。その後、「フッド・バイ・エアー(HOOD BY AIR)」のシェーン・オリバー(Shayne Oliver)やマーク・ハワード・トーマス(Mark Howard Thomas)ら複数のデザイナーがさまざまな形でブランドに携わったものの大きな成功には至らず、最近はスタジオのチームがデザインを手掛けていた。
ドゥ新クリエイティブ・ディレクターはベトナムで生まれ、14歳で米国に移住した。ニューヨーク州立ファッション工科大学(Fashion Institute of Technology)で学び、14年に「LVMH グラジュエーツ プライズ(LVMH Graduates Prize)」で優勝。フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が率いた時代の「セリーヌ(CELINE)」で2年、「デレク ラム(DEREK LAM)」で1年半の経験を積んだ後、18年に「ピーター ドゥ」を立ち上げた。高いテーラリング技術を生かした、斬新かつ上質なリアルクローズは高く評価され、瞬く間に人気ブランドに。23年春夏コレクションからメンズウエアに進出。韓国の大手芸能事務所SMエンターテインメント(SM ENTERTAINMENT)と提携していることから、同事務所に所属するNCT DREAM(エヌシーティードリーム)のジェノ(JENO)らがショーに登場して大きな話題を集めた。
ドゥ新クリエイティブ・ディレクターは、「ヘルムート・ラングほど先鋭的な考え方を体現した人物はいない。そのレガシーを次章へと導いていく役割を任されたことを、心から光栄に思う。ブランドが拠って立つ基礎を学び、自分らしさを表現するに当たっての可能性をインスパイアする、新しくてエネルギッシュな服を作り続けていきたい」と語った。