あまり変わりばえのしなかった婦人服フロアが、面白くなりそうな気配がある。顧客の固定化・高齢化でコンサバから抜け出せないブランドがほとんどの中、トレンド感や他にないデザインで、フロアに新鮮な風を吹かせる3ブランドをピックアップする。クオリティーに対する視座も高く、ラグジュアリー・コンテンポラリーブランドも意識しながら、富裕層の取り込みを虎視眈々と狙う。(この記事は「WWDJAPAN」2023年7月24日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「フレイ アイディー(FRAY I.D)」
マッシュスタイルラボの「フレイ アイディー」が、百貨店の上顧客の開拓に力を入れている。2022年秋から、阪急うめだ本店や三越銀座店など一部の都心百貨店向けに、高価格帯の“ハイクオリティーライン”を導入した。これまではファッションビルを主販路にリアルトレンド市場をリードしてきた同ブランド。春日田彩子ディレクターは「ブランドらしい華やかなデザインに、より高いレベルのモノ作りを掛け合わせれば、百貨店の目の肥えたお客さまにも新鮮に映るはず」と自信をのぞかせる。
最高品質×高揚感
外商顧客をうならせたい
「フレイ アイディー」は百貨店に計12店舗を構える。都心百貨店には“ハイクオリティーライン”を導入し、ファッションビル店舗とはスタンスを明確に変えている。“ハイクオリティーライン”の主要ターゲットは40代以上。競合として意識するのは、コンテンポラリーゾーン(ラグジュアリーとキャリアの中間程度の価格帯)のブランドだ。「ゆくゆくは外商のお客さまにも一目置かれるようにしたい」と春日田ディレクターは話す。
“ハイクオリティーライン”では「海外のメゾンブランドでも使用される最高級の生地」を使い、シーズンで5型程度のコレクションを展開する。ジャケットで8万〜10万円、コートで10万〜15万円程度と、価格帯は既存品の約3倍。三越銀座店と表参道ヒルズ店が特に好調で、新規客獲得につながっている。「既存のお客さまも、ハイブランドのバッグでコーディネートを“格上げ”するような感覚で、“ハイクオリティーライン”のジャケットやコートを手に取ってくださっている」。
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