ビジネス
特集 パタゴニアのビジネスに見る新しい資本主義 第7回 / 全9回

パタゴニアの型破りなマーケティング戦略 本国責任者が語る

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アイリーン・オッテンウェラー/パタゴニア ブランド&ビジネス・インパクト責任者 プロフィール

米国インディアナ州フォートウエイン生まれ。2019年3月パタゴニアに入社。ブランド・マーケティングを指揮し、キャンペーンの戦略開発、ストーリーや映画制作、草の根の支援活動など、ブランドのあらゆる活動においてパタゴニアの目的を実現するための戦略やチーム、プログラムをマネジメントする。パタゴニア入社以前は、テスラ、ソーラーシティ、イニシアティブ・フォー・グローバル・デベロップメントなど、さまざまなテクノロジー企業や非営利団体に勤務。趣味はサイクリング、水泳、バックカントリースキー、トレイルランニング

パタゴニアのマーケティング戦略は型破りだ。「製品を売るため」ではなく、人々の「行動変容を促す」ことに焦点を当て、本部だけで約200人のスタッフが戦略を練る。「パタゴニアは“100年続く会社”の実験的存在」「いわゆるマーケティングと呼ばれる仕事を覆すことが私の仕事」と語るパタゴニアのブランド及びビジネス・インパクトの責任者、アイリーン・オッテンウェラー氏にマーケティング&コミュニケーション戦略を聞く。(この記事は、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

WWD:これまで手掛けたキャンペーンで最も反響が大きかったものとその理由をどう分析する?

アイリーン・オッテンウェラー(以下、アイリーン):リジェネラティブ・オーガニック(環境再生型有機農法)認証と、漁網を再生したリサイクルナイロン「ネットプラス」のローンチキャンペーンです。いずれも私たちが重視する価値観である製品を活用して行動変容を促すものでした。リジェネラティブ・オーガニックのキャンペーンは、オーガニックコットンを支援してきたこれまでの取り組みを土台に、(さらにその理解を深め、環境再生型有機農法への移行に向けて)業界を後押しすることができたと感じています。キャンペーンを通じてより多くのブランドがオーガニックからリジェネラティブ・オーガニックのコットンを使用するようになりました。また、お客さまもコットン栽培の理解を深め、より多くの人が「自分の服はどこから来ているのか」と疑問を持つようになったと感じています。

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