三越伊勢丹ホールディングスは2024年3月期、基幹店である伊勢丹新宿本店の総額売上高(小売業の売上高に相当)が前期比13.8%増の3727億円になりそうだと発表した。同店は前期の総額売上高が3274億円と31年ぶりに3000億円を突破していた。期初には25年3月期に3500億円を計画していたが、大幅な上方修正となる。コロナ前の20年3月期(売上高2740億円)からは、1000億円近い伸長だ。
伊勢丹新宿本店の23年4〜9月期の総額売上高は同15.5%増の1703億円で、これも同期間での過去最高だった。「高感度・上質」をキーワードとしたMDの充実や、外商、カード会員、デジタル会員との結び付きを深めて的確にマーケティングする「個客化」戦略が両輪で進み、販売好調が継続した。
インバウンドの急回復も追い風だ。首都圏5店を運営する三越伊勢丹において、4〜9月のインバウンド売上高はコロナ前の18年同期間と比較して40%近く伸びている。インバウンド比率が高い三越銀座店における24年3月期通期の総額売上高も前年同期比33%増、過去最高となる1027億円を計画する。