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連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

「黒歴史」が生んだブランドの変革

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【連載】ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

ビューティ賢者が
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ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、企業を象徴するブランドが再攻勢をかける話。

弓気田みずほ ユジェット代表・美容コーディネーター プロフィール

(ゆげた・みずほ)伊勢丹新宿本店化粧品バイヤーを経て独立。化粧品ブランドのショップ運営やプロモーション、顧客育成などのコンサルティングを行う。企業セミナーや講演も。メディアでは化粧品選びの指南役として幅広く活動中

【賢者が選んだ注目ニュース】

2024年上半期の大きなトピックスになりそうな「プラダ ビューティ」だが、かつてその前身が日本市場で販売されていたことを知る人は少ないだろう。

幻の「プラダスキンケア」

2000年前後に伊勢丹新宿本店で展開されており、コスメカウンターというよりラボを思わせるフューチャリスティックなストアデザインだった。アイテムはスキンケアのみ。ホワイトを基調としたアンプルのような1回使い切り容器を個包装してボックスに入れた斬新なパッケージで、美容液やクリーム、リップバームなどをラインアップしていた。処方をそれぞれ異なるプレステージブランドに依頼するなど、中身もクオリティーの高いものになっていたが、当時でさえ「過剰包装」との声が上がったパッケージやコストパフォーマンスの悪さが影響して苦戦を強いられた。

当時の「プラダ」はアイコンとなったナイロン素材の「ポコノ」シリーズが日本でも一大ブームを巻き起こし、「ジル サンダー」といったブランドを次々傘下に収めていた。しかし一般的にはまだ「黒いナイロンバッグ」のイメージだった「プラダ」がいきなりスキンケアを発売したことは、とっぴな印象だったと言わざるを得ない。

スキンケアの撤退後は長らくフレグランスのみの展開してきたが、19年にロレアルと長期的なビューティライセンス締結を結び、昨年8月に新たな「プラダ ビューティ」が誕生した。ロレアルはほかにも「イヴ・サンローラン」など、ファッションメゾンのビューティラインを成功させてきている。いまの「プラダ」から生まれるビューティの世界観がどのような広がりを見せるかに注目したい。

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