1年前のこの時期は、まだ日本人の大半はマスクを着用していた。そう考えると、2023年はコロナ禍からの完全復活を果たし、本格再始動した年といえる。ビューティ企業各社のトップにもそう考えている人が多く、本格再始動に向けた取り組みを挑んでいた。今回のCEOインタビューでは、目標や実績を具体的な“数字”で語ってもらい、未来に向けたビジョンを明らかにする。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)
ビューティ企業のトップ29人が語る
23年の総括・24年のビジョン
「コロナ禍を経て、お客さまはより自身の肌や健康状態、ライフスタイルに合った商品を求め、質の高いカウンセリングを重視する傾向が強くなった。パーソナルビューティパートナー(美容部員)は知識と技能にさらに磨きをかけ、顧客満足度の高い接客へとつながっている」と話したのは、資生堂の魚谷雅彦会長CEO。コロナ禍で見いだした課題に柔軟に対応することで、主力のスキンケアブランドを大きく伸長させた。
また、中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」の重点領域として、人材育成にも注力。その一環で、次世代を担う経営リーダーを育成する施設「Shiseido Future University」を、創業の地である東京・銀座にオープンした。オリジナルのリーダーシッププログラムを通して、自らビジョンを描き、長期的な視点で企業価値を高め、変革を実現する経営リーダーの育成を目指す。
人材育成に関しては、アイエヌイーも注力。大西洋平社長は「当社の強みであるマーケティングに通じた人材育成が要であることに加え、組織が大きくなるにつれベンチャー企業の良さが薄れてきている問題意識があった。中途人材を含め同じ目標を共有し競争力を高める企業風土の醸成が欠かせなくなっている。ここ数年はマーケッターや営業など職種ごとの当社独自の育成プログラム作成などに力を入れているほか、各部門内に人事担当を設けるなど育成・評価システムを急激に進化させている」と語った。コロナ禍で人材の大切さや、不足している点に気付き、改めて人材育成に着手した企業も多かったようだ。
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