大型の商業施設が少ない沖縄は、いわばセレクトショップ天国だ。小規模で個性的なセレクトショップがひしめき、熱いパッションを持つオーナーバイヤーがまさに体を張って「デザイナーブランド」の伝道師となって市場を切り開いてきた。都会の定石に左右されず、マーケットに耳を傾け、かつ道を切り開いてきたオーナーたちを直撃した。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月17日号からの抜粋です)
GARB DOMINGO

藤田俊治・日菜子/代表
住所:沖縄県那覇市壺屋1-6-3 店舗面積:約10坪 創業:2009年10月 取り扱い作家:岩田智子(陶磁器)、ワンキルン(陶磁器)、眞喜屋修 (陶磁器)、山本憲卓(陶磁器)、新里竜子(陶磁器)、金城宙矛(きんじょう・ひろむ、陶磁器)、宮城正幸(陶磁器)、比嘉奈津子(ガラス作家)、紺野乃芙子(陶磁器)、茜陶房(陶磁器)、佐藤尚理(陶磁器)、藤本健(木製食器)
沖縄と器が交錯する、
ハイセンスなギャラリーショップ
「ガーブドミンゴ(GARB DOMINGO)」は、那覇屈指のメーンストリートである国際通りの裏手に佇むギャラリー・ショップだ。陶磁器を中心に沖縄、あるいは沖縄にゆかりのある作家の作品を販売している。どの作品も、旅好きのオーナーである藤田俊治・日菜子夫妻がセレクトしたもの。「妻の出産を機に、妻の実家の近くに住むという体で、東京から引っ越した。ギャラリーも物販も経験がなかったが、日本各地に散らばった沖縄を集めた“ハブ”のような店として『本質的なお土産を売る』ということに行き着いた」(俊次代表)。ハイセンスな作品が多いが、価格は高くても3万円台。「器なので価格帯は日常的に使えるという感覚を意識している」(日菜子代表)。

工芸品を扱うギャラリーの場合、委託と買い取りの2つのやり方があるものの、「ガーブドミンゴ」は買い取り方式にこだわっている。工芸品は作家が自ら制作するので、製造できる数量に限りがあり、人気が出ると価格が高くなる。買い取り方式の「ガーブドミンゴ」は、人気が出て価格が上昇した作家が自然と「卒業」する。ただ、その卒業した作家がすごい。鹿児島睦(まこと)や現代アートで注目を集める安永正臣、気鋭の陶芸アーティストとして注目を集める今村能章(よしあき)ら、そうそうたるビッグネームなのだ。
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