「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は7月20日、米国・カリフォルニアを拠点にするバイオテクノロジー企業のボルトスレッズ(Bolt Threads)とのパートナーシップを締結した。これにより、同ブランドが推進してきたファッションにおけるサステイナブル改革への取り組みを強化する。ボルトスレッズは、自然界に存在するたんぱく質を発酵させて繊維や合成高分子を開発するベンチャー企業。グリーンケミストリー(環境にやさしい化学)の実践を通じて、素材を再利用するためのより環境汚染の少ない製造プロセスの開発も行っている。同様の製法を使った繊維やプラスチックの開発ベンチャーとして、ゴールドウィンの出資する日本のスパイバーもある。
ボルトスレッズはグリーンケミストリー(環境にやさしい化学)の実践を通じて、素材を再利用するためのより環境汚染の少ない製造プロセスの開発も行っている。今回のパートナーシップでは、まずタンパク質から製造した繊維で、同社が“ボルトマイクロシルク”と名付けた糸を使ってドレスを制作。10月1日から来年1月28日まで開催されるニューヨーク近代美術館(MoMA)の「アイテムズ:イズ・ファッション・モダン?」展で展示する。今後もさまざまな新プロジェクトを発表していく予定だ。
ベジタリアンでもあり、自身の手掛けるコレクションにはレザーやファーを使用しないステラ・マッカートニー(Stella McCartney)=デザイナーは、「ボルトスレッズと公私にわたり協力し合えるパートナーとなれたことを大変うれしく思います。なぜなら、このパートナーシップによって、ファッション、サステイナビリティー、そして、技術革新の点と点がつながり、ようやく全てが一つになる感じがするからです。私はこれを、自分のキャリアの主な目的としてずっと探し求めてきました。そして、やっとさまざまな業界が寄り集まって、より良い地球を作るために一体となる機会が新たに生まれた気がするのです。これこそが、真に近代的で意識の高い、ファッションに向かうべき姿勢です。この業界には輝かしい伝統があります。しかし、時にはそれが環境にダメージを与え、時代の流れとは真逆の方向へ向かう原因になることさえあります。私は、このファッションの世界で前進したいと考えてきました。これこそが、技術とファッションの未来を讃える本当の瞬間です」とコメント。
一方、ダン・ウィドマイヤー(Dan Widmaier)=ボルトスレッズCEOは、「ボルトスレッズは設立当初から『ステラ マッカートニー』とパートナーシップを組むことを夢見てきた。彼女は他に類を見ないほど素晴らしい美的センスの持ち主。その上、持続可能なファッションを先駆的に追い求める彼女の姿勢と価値観は、ファッションの未来に対するわれわれのビジョンと完全に一致している」と話している。