セバスチャン・スール(Sebastian Suhl)前マーク ジェイコブス インターナショナル(MARC JACOBS INTERNATIONAL)最高経営責任者(CEO)は2018年1月からヴァレンティノ(VALENTINO SPA)のグローバルマーケット部門マネジング・ディレクターに就任する。
スール=マネジング・ディレクターは米ニューヨーク州出身。バルセロナにあるビジネススクール、エサデ(ESADE)でMBAを取得後、デロイト&トウシュ(DELOITTE &TOUCHE)やファッションブランド「クレージュ(COURREGES)」「ティミスター(THIMISTER)」でキャリアを積んだ。01年にフランスのジェネラル・マネジャーとして「プラダ(PRADA)」に参加。アジア太平洋地域のCEO(05年)や最高執行責任者(09年)などを歴任し、同ブランドで11年間キャリアを積んだ。同ブランドのIPO(株式公開)を見届けた後、12年にLVMH傘下の「ジバンシィ(GIVENCHY)」、14年に同「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」に移籍し、17年夏に退社している。
ヴァレンティノは17年中のIPOの予定はなく、18年については未定としているが、情報筋によると、18年後半あたりにIPOの機会をうかがっているようだ。そのため、スール=マネジング・ディレクターが有するIPOの経験を評価しての人事だった可能性がある。ステファノ・サッシ(Stefano Sassi)CEOは「IPO延期の理由は市況のせいだ。状況が変われば、IPOについても再検討する」とコメントしている。
スール=マネジング・ディレクターはヴァレンティノ参加について、「長い間憧れていたブランドだったからとても光栄だ。サッシCEOやピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターと協働してこの素晴らしいブランドをさらに大きくしていく」と語った。