トッズ・グループ(TOD’S GROUP)のディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)最高経営責任者(CEO)は2月23日に開催した「トッズ」2018-19年秋冬コレクションのショーで、新プロジェクト「トッズ ファクトリー(Tod’s Factory)」を発表した。
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)がニューヨークに構えたスタジオ、ファクトリー(The Factory)にちなんで名付けられたという「トッズ ファクトリー」は、6カ月ほど前から準備を進めていたという。デッラ・ヴァッレCEOは「このプロジェクトにより『トッズ』は、6カ月に1度コレクションを発表する業態から、カプセルコレクションや限定コレクション、個人やブランドと親しくしている人物とのコラボコレクションを1年を通して“ドロップ(発売)”する業態に変化する。このビジネスモデルでコレクションをより早く、より厳密にコントロールすることが可能になる。ブランドのストーリーを伝える新たなコミュニケーション方法だ。みんなを驚かせたい」と説明。同プロジェクトのお披露目は18年6月か7月を予定しているという。
「トッズ」はウィメンズは16年にアレッサンドラ・ファッキネッティ(Alessandra Facchinetti)がクリエイティブ・ディレクターを退任して以来、デザインチームがコレクションを手掛けている。2018-19年秋冬のウィメンズのショーが最後の発表になるのかどうかについては言及を避けた。
「商品は、25歳の目を通して作られるようになる。われわれはまるで、毎月物事を集めてまとめる雑誌の編集者のようだ」とデッラ・ヴァッレCEO。すでに、18年春夏の広告キャンペーンにケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)を起用したり、インフルエンサーのキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)とのカプセルコレクションも発売中だ。
「シュプリーム(SUPREME)」や「キス(KITH)」などのストリートブランドのようにコラボやコレクションを頻繁に“ドロップ”する業態を採用したりと、年に2回のコレクション発表から移行するブランドも増えている。「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「キートン(KITON)」、「モンクレール(MONCLER)」もミラノで藤原ヒロシら8人とのコラボアイテムを定期的に“ドロップ(発売)”するプロジェクトプロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」を発表した。
さらにデッラ・ヴァッレCEOは「世代交代の時が来た。18年は、新チームとマネジャー陣を迎える変革の年になる」と語る。17年11月には同社に33年間勤めたステファノ・シンチーニ(Stefano Sincini)「トッズ」CEOが退任し、ブルガリ(BVLGARI)でワールドセールス担当マネジンング・ディレクターを務めていたウンベルト・マッキ・ディ・チェッレーレ(Umberto Macchi di Cellere)が後任に就くと発表した他、今春クラウディオ・カスティリオーニ(Claudio Castiglioni)=グローバル・ジェネラル・マネジャーが退任することが決まっている。