モンクレール(MONCLER)の2018年12月期決算は、売上高が前期比18.9%増の14億2007万ユーロ(約1775億円)、純利益が同33.1%増の3億3249万ユーロ(415億円)と引き続き増収増益の好調な業績となった。
地域別の売上高では、ヨーロッパと中東、アフリカを合わせた地域が前期比14.6%増の5億7545万ユーロ(約719億円)、南北アメリカが同16.2%増の2億2848万ユーロ(約285億円)、そしてアジア全体とその他の地域が同24.3%増の6億1613万ユーロ(約770億円)となり、いずれの地域でも2ケタ成長となった。
レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「1年前に事業戦略を変更し、非常に満足のいく結果となった。店舗にも顧客にもスタートアップのような熱気がある。うぬぼれるつもりはないが、ブランドコンセプトや製品に新鮮味があり、誰もが大満足していると感じる。18年2月に始動した『モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)』プロジェクトでは、今までとは異なる製品やアイデアを展開して若年層の取り込みに成功した。当社は常に高い品質を維持し、さらに改善するべく尽力している。販売網に関しても、よりよいロケーションに店舗を移転させるなどの努力を重ねている。イタリア証券取引所に上場して5年になるが、高い実績を上げられたことを誇りに思う」と語った。
ロベルト・エッグス(Roberto Eggs)=チーフ・マーケティング&オペレーティング・オフィサーは、「『モンクレール ジーニアス』は当社で初のデジタルネイティブな製品で、従来では不可能なほど大幅に顧客とのコミュニケーションを促進してくれた」とコメントした。
2月のミラノ・ファッション・ウイークで、「モンクレール ジーニアス」はミラノ中央駅沿いの高架下にクリエイターごとのスペースを用意し、コレクションをインスタレーション形式で発表し、大成功を収めたという。エッグス=チーフ・マーケティング&オペレーティング・オフィサーは、「『モンクレール ジーニアス』で7~9%の成長を目指したい」と意欲を見せた。19年中には、ヨーロッパと日本に「モンクレール ジーニアス」の店舗を1つずつ新規オープンする予定で、「モンクレール」は同じく今年中に直営店15店舗のオープン、ショップインショップ15店の追加、そして既存15店の改装を予定している。
ルッフィーニ会長兼CEOは、「19年は経済および地政学的な不透明感がさらに増す可能性があるが、困難に直面した時こそさらに強くなれると思う。世界中の多様な消費者に向けて、今後もインクルーシブで魅力的な製品を提供していく」と述べた。