新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は、2018年に「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のグランプリに選出された「ダブレット(DOUBLET)」の井野将之デザイナーの思いを紹介する。
DOUBLET
井野将之デザイナー
Q.今、デザイナーができることは?
A.現在、最も難局に直面しているのが営業自粛中の小売業なので、何かできないかと毎日模索している。小売業の苦境の影響が、僕たちブランドのような卸業を通過して、生産側の工場へと及んでいくことに危機感を持っている。もし、その流れが工場まで届いてしばらく経過してしまうと、その地点から再びよい流れに押し戻すことはとても困難になる。ブランドはその間にいるので、なんとか僕たちで食い止めて押し戻したい。ファッションを通じてできることを考え、行動する必要がある。
【自社での動き】
11万以上のフォロワーを有するブランドの公式アカウントを活用し、全国の卸し先店舗を一つ一つストーリー機能にリンクを付けて投稿。また“一日店長”として取扱店のアカウントで顧客からの質問に答えたり、トークショーに出演したりと、小売店をデジタルで少しでも支援したいという意思が伝わってくる。