キャリアコラム

インスタでファン獲得 5.5万フォロワーを渋谷109の店舗に 「スワンキス」水嶋ひかる

 ピンク色の髪、大ぶりな丸メガネ、フリルのついたスイートな服──いかにもSNS映えしそうなルックスの「スワンキス」渋谷109店のビジュアルスタッフ、“ひかぷぅ”こと水嶋ひかるさんはインスタグラムやツイッターなどのSNSを駆使する新しいタイプの販売員だ。合計11万5000に達するインスタグラムとツイッターのフォロワーをリアル店舗に呼び込んでいる。

 インスタグラムやツイッターの投稿はファッションや大好きな激辛フードの情報が入り交じる、イマドキのインフルエンサーだ。だがインタビューでは、質問にはっきりとした声と笑顔ですぐに答え、意地悪な質問にもよく考えた上で自分の言葉で返してきた。セルフ・プロデュース力の高さに加え、販売経験も豊富なアパレル販売員なのだ。

 ファッション週刊紙「WWDジャパン」6月25日号販売員特集で紹介した販売員の一人、ひかぷぅのインタビューをお届けする。

WWD:販売員になったきっかけは?

ひかぷぅ:高校生の頃によく行っていた、札幌のファッションビルのショップ店員さんのファッションとかオシャレなオーラを見て、「私もいつか絶対こうなりたい!」って思っていました。ショップ店員さんって、ファッションビルの外にいてもすぐにわかるじゃないですか?「あ、この人あのブランドのショップ店員さんだ」って。

WWD:「スワンキス」の販売員にはどうやって?

ひかぷぅ:上京して、あるマルキューブランドで11カ月ほど販売員をやっていたのですが、そのブランドが休止することになってしまって。でもちょうど「スワンキス」が初の店舗をマルキューにオープンするということでバイトを募集してて、普通に応募しました。

WWD:インスタやツイッターはいつから?

ひかぷぅ:ツイッターは前からやっていましたし、販売員になったころはクルーズブログやミクシィブログもやっていました。いまもSNSはいずれもプライベートのアカウントです。販売員になりたての頃は試行錯誤で、自撮りとかを載せてましたが、あまり販売にはつながりませんでした。変わったのは4年前くらいに動画配信するようになってから。フォロワーも増えて、ファンの子たちがお店に来てくれるようになりました。今はやっぱりインスタの影響力が大きいです。

WWD:現在、SNS経由でどのくらいの人がお店に?

ひかぷぅ:私の場合、店頭の売り上げは6割がファン、4割がそれ以外のお客さまという感じです。ファンの方々は中高生が多くて、商品を買っていただいて一緒に写真を撮ったりサインをしたりと、コト重視のお客さまだと感じています。それ以外のフリーのお客さまに関しては普通のアパレル接客と同じで、サーッといろんなアイテムをなんとなく見ているお客さまはたまたまお店に入られた方なので、着用されている服の話から入ったり、特定のアイテムを見ていたら色違いの服を提案したり、コーディネートを提案したり、とお客さまの行動を分析して接客しています。基本的にフリーのお客さまの方が客単価は高いです。

WWD:いま、販売員の仕事にSNSは欠かせないツールだと思う?

ひかぷぅ:うーん、そうですね。でも、私はもしSNSをやめたとしても販売員は続けていると思います。お客さまにぴったりのかわいい服を選んでハッピーにできる販売員のお仕事がすごい好きだし、SNSではできないと思います。

WWD:ファンの中には、インスタで見たひかぷぅ着用アイテムを買いに来るファンも多いと思うが、似合わない場合もあるのでは?

ひかぷぅ:あまりそういうケースはないです。仮にそうだとしても、その場合は違うアイテムやコーディネートをオススメします。ファンの方が私と同じ服を欲しがってくれるのはうれしいですけど、結局服は似合わなければ着ないですし。例えばその日に着ている服やお手持ちの服にカジュアルな服が多かったりする場合は、そうした服にも合わせやすいデニム系のアイテムや、お手頃な価格のスマホケースや指輪をオススメしています。「スワンキス」は指輪を1500円から用意しているので。販売員をやっていると、お客さまに似合う服や必要なアイテムをオススメするということが本当に大切だと実感します。SNSはきっかけであって、ファンになっていただけるのは、実際に接客をしてきちんと似合う服を選び、(お客さまが)着て満足してくださってからだな、と。

WWD:インスタを見ていると、「スワンキス」関連の投稿はあまり多くない。

ひかぷぅ:ブランドの公式アカウントがあるので、店内で撮影した写真などはそちらに上げています。店舗では私に限らず、販売員同士で手が空いているときにお互いに撮影し合って、公式アカウントに写真を上げています。私のアカウントは私のことを知ってもらうことが重要で、例えば真ん中の列は大好きな激辛フードの投稿って決めています。激辛関連の情報はかなり網羅していて、そちらのハッシュタグからファンになっていただく方も最近は増えて嬉しいです。

WWD:今後は?

ひかぷぅ:販売員のお仕事は続けながらタレント的なお仕事もやる、ショップ店員兼タレントが夢の一つです。2016年からは芸能プロダクションのプラチナムに所属して、雑誌やテレビのお仕事も始めています。ただ、タレントのお仕事は急に入ってくるので、シフトに穴をあけて他の販売員に迷惑をかけるのが申し訳なくて。でもなんとか両立していきたいと思っていますし、そのためにもっと接客の技術を磨きたいと思っています。

WWD:SNSの悩みはある?

ひかぷぅ:悪意のある投稿やウワサはやっぱり怖いです。フォロワーの数がある一定数以上になると、お店の外で自分が知らないうちに撮影された写真が投稿されたり、プライベートなことを書かれたり、一時期はかなり悩み、SNSをやめようかとまで思いました。今は割り切るようにしています。


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