渋谷にある美容室「アフロートワールド(AFLOAT WORLD)」の長谷川裕二トップスタイリストは、月間最高売り上げ480万円、インスタグラムのフォロワー数4万3000を超える人気美容師だ。そんな長谷川トップスタイリストにも、スタイリストになったばかりのころは売り上げが伸びず悩んでいたという。どのようにして売り上げを伸ばしたのか、その秘訣を聞いた。
WWD:もともと関西の美容専門学校に通っていた長谷川さんが東京の「アフロート」を志望した理由は?
長谷川裕二(以下、長谷川):高校時代から美容室でバイトをしていたのですが、個人店だとちょっとブラックな企業も中にはあり、しっかりとした大きな会社に就職した方がいいなと思って「アフロート」を選びました。「アフロート」はメイクにも力を入れているので、それもポイントでした。
WWD:スタイリストになるのに時間はどれくらいかかった?
長谷川:6年目でスタイリストデビューしました。僕の時代はそれくらいが平均だったのですが、今はずっと早くなって2年くらいでデビューする人もいます。
WWD:スタイリストデビュー後は、順調に売り上げは伸びた?
長谷川:全然でしたね。デビュー初月が80万円ほどで、そこから1年ほどは60万~80万円でした。
WWD:そういった状況からどうやって売り上げを伸ばした?
長谷川:お客さまがヘアサロンでオーダーしたくなるヘアスタイルの作品撮りを徹底したことです。スタイリストになってからほぼ毎日作品撮りはしていたんですが、当初はおしゃれな世界観を重視した作品作りを心掛けていたので、それだとお客さまが実際に「こんなヘアにしてください」と言えるものが少なかったんです。だから“おしゃれな世界観”よりも“集客”を意識して作品撮りをするようにしました。そうしたヘアスタイルをインスタグラムで発信することで、集客につながっていきました。
WWD:これまでの月間最高売り上げは?
長谷川:昨年12月の月間売り上げ480万円です。
WWD:インスタグラムのフォロワー数も4万3000超えと人気だ。
長谷川:最近は“ポニーテールの時に出す横の毛がほしい。”など、“文字だけの画像”も投稿することで、画像中心のインスタのタイムラインの中で、興味を持ってもらえるようにしています。例えば“似合わせカット”といってもどういったカットをするのかヘアの画像に解説を入れた投稿もするなど、なるべく説明をし、“しっかりしている”と思われるように意識しています。
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WWD:インスタグラムを見て来る新規のお客さまは多い?
長谷川:月200人くらいです。月400人ほどお客さまが来るので、半分くらいは新規のお客さまになります。
WWD:インスタグラムで来る新規のお客さまはリターン率が低いといった意見も聞かれるが?
長谷川:確かにリターン率は3割くらいなので、低いと思います。でもそれはそういうものだなって考えているので、そのリターン率を上げるために何かをするっていうのはないですね。現状だとフルブッキングなので、今は少し予約をセーブしています。
WWD:3月に自身で美容メディア「ain(エイン)」を立ち上げたが、そのきっかけは?
長谷川:インスタグラムのDMなどで、キュレーションメディアから画像を使わせてほしいという依頼が多くて、それなら自分でやった方がいいなと思って始めました。ヘアやメイクのことを中心にお悩み解決をテーマにした記事を書いています。今のところ画像も文章も全部自分で手掛けていますが、思ったよりも大変です(笑)。今のところ独立などは考えてはいないのですが、まずは「エイン」の認知度を高めて、メディアとして確立させていきたいです。